1984年にエスビー食品か発売された『鈴木くん・佐藤くん』についての紹介じゃ。
なぜ苗字がお菓子に?その不思議な名前の由来も詳しく解説するぞ。
1984年(昭和59年)にエスビー食品(S&Bスナック)から販売されたスナック菓子の『鈴木くん』『佐藤くん』。
指でつまめる一口サイズ、サクサク食感が食べていて心地いい穴あきタイプのスナック菓子です(下記画像)。
味は二種類あり、『鈴木くん』はちょっぴり塩味、佐藤くんはほんのりチーズ味、と商品名だけでなく味もユニークで遊び心たっぷりのお菓子でした。
パッケージもすごく印象的で、『鈴木くん』の方はいかにも真面目そうな坊ちゃん刈り(マッシュルームカット)の男の子、『佐藤くん』がスポーツ万能でやんちゃ坊主そうな男の子が描かれていたんですよね。
しかもそのイラストの下には太いゴシック体の文字で『鈴木くん』『佐藤くん』とデカデカと印字。選挙ポスターを彷彿とさせるデザインです。
お菓子コーナーでも特徴のあるパッケージがかなり目立っていて、異質な存在でした。
ちなみに鈴木くんと佐藤くんは発売直後から大ブームとなり、品切れのお店が続出するほど大ヒットしたんですよ。
そんな1980年代の大ヒットお菓子『佐藤くん』『鈴木くん』の商品概要(販売開始・終了時期、価格、味の種類)、話題になったCM、ヒットの理由、名前の由来などについて解説します。
参考昔のお菓子鈴木くん・佐藤くんの商品情報【販売開始・販売終了・味の種類】
【鈴木くん・佐藤くん】
日本人に多い名字1位・2位がそのまま商品名になったスナック菓子『佐藤くん』と『鈴木くん』じゃ鈴木くんはチョッピリ塩味、佐藤くんはほんのりチーズ味で味も違うんじゃよ😇#昔のお菓子 pic.twitter.com/BnX3JH7V8Q
— おかし博士@昔のお菓子 (@okashihakase) October 2, 2024
- 商品名:鈴木くん、佐藤くん
- 販売メーカー:エスビー食品
- 価格:100円(販売当初)
- 販売開始:1984年(昭和59年)
- 販売時期:1984年-1989年頃
- 味:チョッピリ塩味、ほんのりチーズ味
- 種類:スナック菓子
『鈴木くん』と『佐藤くん』はエスビー食品から1984年(昭和59年)に発売されたスナック菓子です。
当時はポテトチップス、チップスター、とんがりコーン、もろこし村など、数多くのヒットスナック菓子が市場を賑わしており、新商品が発売されるも売れ行きが伸びずに即生産終了が相次いでいた時代。
そんな中、鈴木くんと佐藤くんはサクサク食感のお菓子の美味しさだけでなく、奇抜なネーミング、ユニークなCMなどの相乗効果が大ヒット。一躍人気お菓子の仲間入りをしました。
発売直後はあまりに売れすぎて、品切れになるスーパーやお菓子屋さんが続出したほどです。
ちなみに味は名前の通りで2種類。パッケージに真面目そうな男児が描かれた鈴木くんは『チョッピリ塩味』、
ちょい悪な雰囲気の男児の佐藤くんは『ほんのりチーズ味』でした。
しかし鈴木くん・佐藤くんの人気は長続きせず、1989年(平成元年)になると売行きの減少に伴って生産終了します。
実売期間は1984年から1989年の5年間のみでしたが、今も記憶に残るほど鮮烈な印象を残した昭和後期を代表するスナック菓子でした。
鈴木くん・佐藤くんの名前の由来はコレ!
鈴木くん・佐藤くんという商品名を聞いて、「どうしてお菓子に名字(苗字)をつけたの?」と疑問を持った方も多いはず。
実はこれにはれっきとした理由があります。
『佐藤』『鈴木』は日本人でも最も多い名字の1位と2位。
1位の佐藤さんがおよそ183万人、2位の鈴木さんはおよし177万人です。それらを合計すると、約360万人。
エスビー食品の開発チームは彼ら(佐藤さん・鈴木さん)が全て顧客になれば、とんでもない大きな市場になると考えたのです。
子供達が「ぼくの名字のお菓子があるー!」「このお菓子、○○くんと同じ名前だよー!」と手に取ってくれれば、とてつもない売れ行きになるに違いないと。
そのような理由があって名前を商品名にし、パッケージも選挙ポスター風にして鈴木・佐藤の名前を大々的にアピールしたのです。
結果、エスビー食品の狙いは見事に的中!鈴木くんと佐藤くんは売り切れ続出の人気お菓子となりました。
ちなみに当時のお菓子業界は10億円売れれば大ヒットという時代。そんな中、鈴木くん・佐藤くんはたったの半年で15億円も売上を立てました。
その数字を見れば、いかにモンスター級のヒット商品だったかわかりますよね。
学年に一人は鈴木か佐藤が名字の子がいたから、名字を2つに絞っても潜在的な市場の大きさはすごいんじゃよ。
鈴木くん・佐藤くんのCMには時効警察の岩松了が出演
鈴木くんと佐藤くんは商品の認知度アップのため、販売当初からテレビCMも頻繁に放映。
なんとドラマ『時効警察』の時効管理課長役でおなじみの岩松了さんが出演しています。
名前を聞いてわからない方も、顔を見れば絶対に「あーあの人か!」とわかる、ドラマ・映画でおなじみの名脇役です。
そのCMがこちらです(↓)
佐藤くんを紹介しているスーツ姿の眼鏡・七三分けの教師が若き日の岩松了さんです。
当時は40代前半ですが、たしかに面影ありますよね。
CMに出演している女性の教師は木野花さんかのぉ?
誰か知ってる人がいたら、コメント欄で教えて欲しいんじゃ
姉妹商品に田中くんと山本さんがあるのを知ってた?
佐藤くん、鈴木くんがヒットしたことでエスビー食品には「僕の名字のお菓子も出して」「私の好きな人の名前もお菓子にして」という手紙が続々と届いたそうです。
それなら名字を増やせばヒットを連発できるのでは考え、『田中くん』と『山本さん』という姉妹商品(シリーズ商品)を新発売します。
坊主頭の田中くんは『すいせん コンソメ味』、クラスのマドンナの山本さんは『おしゃれなサラダ味』です。
ただそれらの二つの商品がリリースされる頃には、佐藤くんと田中くんのブームの下火…。
田中くんと山本さんの新商品を投入しても売行きは回復せず、残念ながら1989年(平成元年)に生産終了となりました。
【まとめ】復刻販売は一度もされず今は幻のお菓子
今回は懐かしの昭和のお菓子『佐藤くん』『鈴木くん』の商品概要、ヒットの理由、当時放送されていたCM、商品名の由来などについて解説しました。
正直な話、佐藤くんと鈴木くんのお菓子自体は既存商品の『もろこし村』に似たタイプの、穴あき空洞形状のスナック菓子。このお菓子じゃなきゃダメという味や食感の特徴はありませんでした。
それにも関わらず品切れ店が続出し、工場の生産ラインを増やさないといけないほどヒットしたのは、『ネーミング』と『パッケージデザイン』の勝利でしょう。
たしかに自分や仲のいい友達の名字がお菓子に付いていて、それがパッケージに大きく描かれていたら買いたくなりますもんね。
なお佐藤くんと鈴木くんは、販売終了してから一度も復刻販売(再販)されていません。
また販売元のエスビー食品はすでにスナック菓子の開発・製造からは撤退しているので、今後も再販は望めないでしょう。完全に幻のお菓子になりました。
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